2020年版 低燃費タイヤ(エコタイヤ)の定義は?

 

ひとことでタイヤといっても、ドライグリップ性能を追求したスポーツタイヤからアイスバーンの制動力に特化したスタッドレスタイヤまで、さまざまな用途が存在します。その中でも、経済性を重視した乗用車用夏用タイヤが「低燃費タイヤ」に分類されます。

低燃費タイヤの定義とは?

低燃費タイヤとはJATMA(=一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)が策定した等級制度により「タイヤの転がり抵抗性能」(=低燃費に寄与)と「ウェットグリップ性能」(=安全性に寄与)が、同協会が制定した基準値を満たすタイヤだけに与えられる総称です。

この制度は「タイヤの転がり抵抗性能とウェットグリップ性能」を等級分けして、消費者が低燃費に関するタイヤ性能がひと目でわかるように表示するもので、2010年から運用を開始しています。ちなみに、国が定める自動車運送車両法とは関連性はなく、義務や罰則規定はありません。

低燃費タイヤの性能を見分けるグレーディングシステム(等級制度)とは?

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「転がり抵抗性能AA、ウェットグリップ性能c」の場合の表記例

転がり抵抗性能は「AAA・AA・A・B・C」の5等級に分類され、ウェットグリップ性能は「a・b・c・d」の4等級で分類されます。そのうち、転がり抵抗性能「AAA・AA・A」&ウェットグリップ性能は「a・b・c・d」の両方を満たすと低燃費タイヤに認定され「低燃費タイヤ統一マーク(=下記のマーク)」が表示されます。

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タイヤのコンパウンドを固くすれば、転がり抵抗性能を引き上げることができます。しかし、ウェットグリップ性能の著しい低下を招きます。これらの相反する性能を両立させ安全性を確保した製品に与えられるマークなのです。

転がり抵抗係数とは?
タイヤへの荷重に対する抵抗比率。数値が小さほど転がり、数値が大きくなると失速しやすくなります。

転がり抵抗係数(RRC) 等級
RRC≦6.6 AAA
6.6≦RRC≦7.7 AA
7.8≦RRC≦9.0 A
9.1≦RRC≦10.5 B
10.6≦RRC≦12.0 C

ウェットグリップ性能とは?
濡れた路面における制動時のタイヤグリップ力。ウェットグリップ性能a等級は制動距離が短く、ウェットグリップ性能d等級は長くなります。ただし、d等級以下のタイヤも存在しますので「d等級=危険」なわけではありません。

ウェットグリップ性能 等級
150≦G a
140≦G≦154 b
125≦G≦139 c
110≦G≦124 d

タイヤの転がり抵抗性能と燃費の関係は?

一般的に、転がり抵抗性能が1等級上がると、燃費性能はおおよそ1%向上すると言われています。低燃費タイヤではない通常タイヤ(転がり抵抗B)から低燃費タイヤ(転がり抵抗性能AAA)に交換すると、燃費が3%向上すると推測できます。燃費性能20km/Lのクルマなら、燃費性能は20.6km/Lへ向上します。

えっ、燃費が0.6km/L伸びるだけなの? と思われる人も多いでしょう。

航続距離は、平均燃費が20km/Lで燃料タンク40Lのクルマなら、800kmから823kmへ延長されます。

えっ、航続距離が23km伸びるだけ? と思われる人も多いでしょう。

燃料代に注目すると、ガソリン価格が150円/Lの場合、1Lあたりの価格が4.5円/L(=145.5円)安くなります。

結構効果あると思いませんか?

1年間の燃料コストは、年間1万km走行する場合、ガソリン量が500Lから485Lに低減し、年間2250円、5年間で1万1250円お得な計算になります。

転がり抵抗性能AAAのタイヤと転がり抵抗性能Bのタイヤの価格が同一なら、転がり抵抗性能AAAを購入した方が断然お得、というのが私の結論です。

転がり抵抗性能とウェットグリップ性能の関係は?

タイヤの転がり抵抗性能とウェットグリップ性能は相反関係にあり、転がり抵抗性能aaaの製品はウェットグリップが弱くなり、濡れた路面の制動力が長くなる傾向にあります。「低燃費タイヤ統一マーク」が付与されるタイヤなら、安全に使用することができます。

ウェットグリップ性能cのタイヤが危険なわけではありません。

付録

タイヤ空気圧管理の重要性

乗用車用タイヤの空気圧は、1ヶ月で5%程度低下します。また、空気圧不足による燃費の低下は、空気圧が50Pa不足した場合、市街地走行時で2.5%、郊外走行時で4.3%、高速道路走行時には4.8%低下するデータ(出典:財 省エネルギセンター)が公表されています。

 

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